『装具支援に関する啓発と実態調査』

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装具支援に関する啓発と実態調査

脳卒中治療ガイドラインや理学療法診療ガイドライン等で装具の有効性については根拠が示され、早期からの活用が推奨されていますが、PT個人の装具に対する知識や技術の不足等については明らかにされていません。そういった現状を把握するために日本理学療法士協会が調査した報告書(H29年度)があります。

要旨からの引用です↓

  • ・PTのほぼ全員が装具に対する知識を「大いに持つべき」「持つべき」としていることに対し、その知識を「大いに持っている」「持っている」と回答したものは半数程度
  • ・装具の知識・能力において、理想の「持つべき」と実際の「持っている」の割合が高い回答者は、どちらも回復期リハ病棟、訪問で多く、地域包括ケア病棟や療養病棟では少ない傾向がみられた
  • ・また臨床経験年数が少ないほど減少し、職場の理学療法士の人数が 30 人以上では増加する傾向がみられた
  • 「今後装具の啓発・教育活動を行う際には、これらを踏まえたきめ細かな対策が必要である。」

引用元:日本支援工学理学療法学会 ①福祉用具・義肢・装具支援に関する啓発と実態調査~装具編~

と締めくくっています。

全文のほうでは、急性期・回復期・老健・通所等の職場の種類別で、装具の作成・調整関与度等、大変興味深い回答結果を見ることができます。

刻々と変化する脳卒中片麻痺者の身体状況に合わせ、適切な装具の選定や装具の調整を行えるスキルはもちろんですが、装具作製制度の知識等もきちんと持ち合わせ、患者様が不利益を被らないようにしていきたいです。

全文の最後には、アンケートの項目がすべて記載されています。職場で同じように調査しても面白そうですね。

要旨

全文