はじめに
皆さんは片麻痺者の杖歩行練習を行う際、どのように指導していますか?
養成校教育で教わったのは、杖ー患ー健の三動作歩行から行い、慣れてきたら二動作に移行する、という流れですよね。
疑問の声
最近は、三動作歩行から始めることに疑問の声が聞かれます。
理由は、三動作歩行は本来の歩行リズムと合わず、また速度が上がりにくいからです。リズムの異なる三動作歩行に慣れてしまうと、二動作に移行するのに戸惑い、習得までに時間がかかるケースも見受けられます。
初めて杖を使う患者様に、敢えて手順を指導せず、「これ(杖)を使って歩きましょう」とだけ伝えて歩かせると、自然に二動作ができる方もいます。
そんな方に三動作歩行を経由させるのは治療効率が悪いですよね。
三動作前型歩行の利点
もちろん、本人の安心感や安全面などから三動作歩行を習得(あるいは経由)すべき方もいらっしゃいますが、その場合は始めから、出来るだけ三動作前型になるように指導した方が良いと考えます。
前型を意識するのは、麻痺側の腸腰筋を伸張させ、張力による自然なswingを引き出すためです。
おわりに
教科書通りにこだわらず、患者様の状態をしっかり評価した上で、どの動作から段階を踏むのがベストなのかを考え、課題難易度を的確に設定出来るようになりたいですね。
また、最終的な到達目標をどの動作にするのかについても、退院後に想定される活動レベルや、求められる歩行速度と照らし合わせながら、適切に設定することも重要です。
場合によっては、三動作が最初の選択肢ではなく、消去法で最終選択肢になる場合もあると考えます。
※上記はあくまでスタッフの個人的見解です。ご質問やご指摘があればコメント欄へお願いいたします。
コメントを残す