【ホンマ◯◯◯!?TVから学ぶ、論文の捉え方】

表紙画像

はじめに

突然ですが、皆さん「ホンマ◯◯◯!?TV」見てますか
私はたまに見てます。
でも正直なところ、出演している専門家の気心は知ったこっちゃありません。笑
内容というより、出演者とさんまさんとのやり取りが好きなんですね。
今回は、この番組のスタンスを参考に、論文を読む際の注意点の1つを、我々なりにご説明できればと思います。
これは中枢神経疾患に限った話ではなく、どの分野の論文でも共通して言えることだと思います。

論文の捉え方

wood
この番組では、研究者達が1つの論文の知見を紹介し、それがあたかも明らかな事実の様に捉えられています。
これが、論文の読み手として最も注意すべき点の1つです
理由を解説するには、いわゆる研究論文がどの位置付けにあるかを説明する必要があります。

幹は真実、枝は小さな事実

forest
研究者達が追い求めている真実は、木で例えると、幹の部分にあたります。
それに対し、1つの論文は、幹から分かれた枝の、そこからまた分かれた枝の、さらに分かれた枝の、、、先っちょの枝です。
つまり、1つの真実を追い求めるために、先っちょの枝の部分からコツコツと知見を見つけているわけです。
幹(真実)は、沢山の枝(小さな事実)の根幹として構成されるものなのに、先っちょの枝の部分だけが大きくとりだたされると、それがあたかも幹の真実として捉え兼ねません。
これは、とても危険なことです。
(少しでも太い枝の事実を知りたいなら、論文の種類に目を向けて、システマティックレビューやメタアナライシスの論文を読むことをおススメします。)

終わりに


ちなみに、番組の最後に、「あくまでホンマ◯◯◯!?という視点でご覧ください」のような表現をされるので、制作者もその点は注意喚起しています。
なので、番組を批判するつもりは毛頭ございません!
大事なのは、見ている私達が、「先っちょの枝の話である」と理解することです。
論文においても、書かれている事実はあくまで先っちょの枝の1つ、として捉えることが重要です。また、セミナー等に参加すると、1つの論文を、理論を裏付ける材料として紹介している場面を多く見かけますが、論文に書いてあるから正しい真実、ではありませんので、その点も注意して見ていけるといいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA